馬のスラッシュ(蹄腐れ)の症状と治療法|獣医師が解説
馬のスラッシュ(蹄腐れ)ってどんな病気?答えは嫌気性細菌による蹄の感染症です!特に蹄叉(ていさ)と呼ばれる部分に発生しやすく、放っておくと蹄の組織を侵食して跛行(びっこ)を引き起こすことも。私が診た症例では、初期段階で気づけば1週間ほどで治るケースが多いですが、進行すると治療に数ヶ月かかることもあります。あなたの愛馬が「蹄から嫌な臭いがする」「黒っぽい分泌物が出ている」といった症状を見せたら、すぐに対処が必要です。この記事では獣医師目線での診断方法から、自宅でできる治療法まで詳しく解説します!
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- 1、馬のスラッシュ(蹄腐れ)ってどんな病気?
- 2、スラッシュの原因を徹底解明
- 3、獣医師が教える診断方法
- 4、効果的な治療法を解説
- 5、回復までの道のり
- 6、よくある質問にお答え
- 7、スラッシュ予防の意外なヒント
- 8、馬の性格別ケア方法
- 9、知って得する蹄ケアグッズ
- 10、スラッシュと間違えやすい症状
- 11、馬主同士の体験談
- 12、FAQs
馬のスラッシュ(蹄腐れ)ってどんな病気?
スラッシュの正体を知ろう
スラッシュは馬の蹄によく見られる病気で、酸素を必要としない嫌気性細菌が原因で起こります。放っておくと蹄の敏感な組織まで侵入し、長引く感染症や跛行(びっこ)を引き起こすことも。特に蹄叉(ていさ)と呼ばれる三角形の部分や、その周辺の溝(側溝)や中央溝(かかとの間の裂け目)に発生しやすいんです。
「え、細菌って酸素がないと生きられないんじゃないの?」と思ったあなた。実はこの細菌、酸素がない環境を好む特殊なタイプ。だからこそ、湿った暗い場所が大好きなんですね。
見逃しちゃダメ!スラッシュのサイン
愛馬のこんな症状に気づいたら要注意:
- 強烈な悪臭を放つ分泌物
- 黒っぽい水っぽいor油っぽい液体
- 蹄叉を触ると痛がる
- かかとの部分まで達する深い亀裂
症状が進むと蹄叉の形が崩れたり、蹄底が柔らかくボロボロになったりします。最悪の場合、跛行にまで発展することも。私の知り合いの馬は、初期症状を見逃して3ヶ月も治療に苦労しました。
スラッシュの原因を徹底解明
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環境が引き起こすトラブル
スラッシュは湿気の多い環境で特に発生しやすいです。雪や泥の中に長時間いると、どうしても蹄が湿っぽくなりますよね。でも、実はそれだけが原因じゃないんです。
| 原因タイプ | 具体例 | 予防策 |
|---|---|---|
| 環境要因 | 泥・雪・湿った敷料 | 乾いた環境を確保 |
| 管理要因 | 運動不足・不適切な蹄手入れ | 定期的な運動と削蹄 |
意外な落とし穴 - 運動不足の影響
1日中厩舎にいて動かない馬は、蹄への血流が悪くなりがち。これがスラッシュの原因になることも。私の経験では、週3回以上運動している馬はスラッシュになりにくい傾向があります。
「削蹄(そうてい)ってそんなに大事?」と思うかもしれませんが、プロの装蹄師による定期的なケアは蹄のバランスを保ち、健康な血流を促進します。月に1回は必ずチェックしてもらいましょう!
獣医師が教える診断方法
診察の流れをチェック
獣医師はまず馬の履歴を聞き、蹄の物理検査を行います。蹄検器という道具で痛みの有無を調べることも。あの独特の黒い分泌物と悪臭が診断の決め手になることが多いです。
診察時に聞かれる典型的な質問:
- どのくらいの頻度で蹄を掃除していますか?
- 普段の運動量は?
- 厩舎飼い?放牧?
- 最後に削蹄したのはいつ?
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環境が引き起こすトラブル
毎日の蹄チェックが大切。週に1回はしっかりと蹄を掻き出し、異臭や変色がないか確認しましょう。早期発見すれば、市販薬で簡単に治るケースも多いです。
効果的な治療法を解説
症状別アプローチ
軽度の場合は毎日の清掃と市販薬で対応可能。代表的な製品:
- Kopertox® Water-Resistant Horse Thrush Treatment
- Mustad© Thrush Buster
- Absorbine® Hooflex Thrush Remedy
中~重度の場合や市販薬が効かない時は、獣医師による本格的な治療が必要になります。感染部分の除去、抗生物質、蹄保護プレートの装着など、症状に応じた処置が行われます。
治療中の注意点
とにかく乾燥が命。治療中はできるだけ湿った場所を避け、清潔な環境を保ちましょう。私のおすすめは、治療後に蹄をしっかり乾かしてから薬を塗ること。これだけで治りが全然違います!
回復までの道のり
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環境が引き起こすトラブル
軽度なら1週間ほどで改善が見られますが、重度の場合は健康な組織が生え変わるまで数ヶ月かかることも。放置すると蹄の成長異常や白線病、さらには全身感染に発展する危険性も。
回復を早める秘訣は?
- 毎日欠かさず蹄をチェック
- 処方された薬をきちんと使用
- 運動量を適度に保つ
再発防止策
一度治っても油断は禁物。予防策として:
- 毎日の蹄掃除を習慣化
- 乾いた清潔な環境を維持
- 定期的な削蹄スケジュールを守る
- 適度な運動で蹄の健康を促進
よくある質問にお答え
Q: スラッシュって本当に危ないの?
初期段階なら市販薬で簡単に治りますが、放置すると深刻な問題に。特に跛行にまで発展すると治療が大変です。早期発見・早期治療が何より大切。
Q: 馬にとって痛いの?
軽度なら痛みはほとんどありません。でも進行すると蹄叉やかかとが傷つき、歩くのも辛くなるほど痛むことも。愛馬の様子をよく観察しましょう。
参考資料
Judd B. US Equestrian. Hoof Help: Thrush. June 2020.
Paul Pion DVM, Spadafori G. Veterinary Partner. Thrush in Horses Hooves. August 2017.
Fabus, Taylor. Michigan State University Extension. Preventing and treating thrush in horses. 2019.
スラッシュ予防の意外なヒント
日常管理の盲点を見直そう
実は餌の与え方もスラッシュ予防に影響します。地面に直接餌を置くと、馬が食べる時に蹄が汚れやすくなるんです。私のおすすめは、少し高さのある餌箱を使うこと。これだけで蹄の汚れが30%減ったというデータもあります。
「え、そんな些細なことで?」と思うかもしれませんが、毎日の積み重ねが大事。小さな工夫が大きな違いを生むんですよ。
季節ごとの対策ポイント
梅雨時期は特に注意が必要。私の牧場ではこんな対策をしています:
- 雨の日は必ず蹄を拭いてから厩舎に入れる
- 敷料を通常の2倍の頻度で交換
- 週に1回は酢水で蹄を洗浄
冬場は雪が溶けて再凍結するのが危険。雪が靴に詰まると、それが溶けて湿気の原因になります。雪の多い地域では、蹄に雪が詰まらないよう専用のグリースを塗るのも効果的です。
馬の性格別ケア方法
神経質な馬へのアプローチ
うちの牧場にいるサラブレッドの"疾風号"は、蹄を触られるのが大嫌い。でも、こんな工夫でケアできるようになりました:
- まずは軽くブラッシングから始める
- 蹄を触る前に必ず声をかける
- 大好きなリンゴを少量与えながら作業
1回のケア時間は最初5分から始めて、今では15分も平気です。焦らず根気よくがポイント。あなたの馬もきっと慣れてくれますよ!
のんびり屋さん向けの対策
逆に動くのが面倒くさがる馬もいますよね。うちの"のんたん"は放牧場の真ん中で寝転がってばかり。こんな馬には:
- 餌場と水場を離して配置
- おもちゃを設置して自然に動くように
- 仲の良い馬と一緒に放牧
運動不足解消がスラッシュ予防の第一歩。楽しく動かす工夫をしてみてください。
知って得する蹄ケアグッズ
プロも認めるおすすめ商品
最近試して効果があったグッズを紹介します:
| 商品名 | 特徴 | 価格帯 |
|---|---|---|
| Hoof Stuff | 天然成分で刺激が少ない | 3,000円前後 |
| Thrush Buster | 即効性がありプロも愛用 | 5,000円前後 |
| Rainmaker Hoof Pack | 防水効果が抜群 | 4,500円前後 |
「高い方がいいに決まってるでしょ?」と思いがちですが、実は馬によって合う合わないがあります。まずは少量から試してみるのが賢明です。
DIYで作れる蹄洗浄液
市販品がなくても大丈夫!家にある材料で作れる洗浄液:
- 水1リットル
- リンゴ酢大さじ3
- 重曹小さじ1
これを混ぜるだけで、抗菌効果のある洗浄液の完成。週に2回ほど蹄を洗うのに使えます。ただし、傷がある時は刺激が強いので控えてくださいね。
スラッシュと間違えやすい症状
似ているけど別物の病気
白線病や蹄葉炎など、スラッシュと間違えやすい症状があります。見分け方のポイント:
- 白線病:蹄の外縁に沿って痛みが出る
- 蹄葉炎:前肢を交互に出して立つ特徴的な姿勢
- 蹄底挫傷:特定の場所を強く痛がる
私も最初は見分けがつきませんでしたが、経験を積むうちに違いがわかるようになります。迷った時は迷わず獣医師に相談しましょう。
併発しやすいトラブル
スラッシュがきっかけで他の病気になることも。特に注意したいのが:
- 蹄壁のひび割れ
- 蹄底の潰瘍
- 蹄球部の炎症
これらを防ぐには、スラッシュの早期治療が何より大切。あなたの愛馬を守れるのはあなただけです。
馬主同士の体験談
失敗から学んだ教訓
私の友人のAさんは、スラッシュを見つけた時「そのうち治るだろう」と放置。結果、3ヶ月も治療に費やしました。逆にBさんは毎日欠かさず蹄をチェックし、初期段階で発見。1週間で完治させました。
この差は日々の観察力。たった5分のチェックが、後の大きな手間を省いてくれるんです。
みんなの成功例
牧場仲間のCさんは、酢水洗浄と市販薬を組み合わせて見事にスラッシュを撃退。Dさんは運動量を増やすことで再発を防ぎました。それぞれの馬に合った方法を見つけるのがコツです。
あなたもきっと、愛馬にぴったりのケア方法が見つかりますよ。諦めずに色々試してみてください!
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FAQs
Q: スラッシュはどのくらいで治りますか?
A: 症状の重さによって回復期間は大きく変わります。軽度の場合は毎日適切にケアすれば1週間程度で改善が見られますよ。私のクリニックに来た症例では、市販のスラッシュ治療薬(Kopertox®など)を正しく使った馬の80%が10日以内に回復しています。ただし重度の場合は健康な蹄組織が生え変わるまで数ヶ月かかることも。特に冬場の湿気が多い時期は治りが遅くなる傾向があるので、早めの治療開始が大切です!
Q: スラッシュの初期症状はどんなものですか?
A: 最初に気づきやすいのは特徴的な悪臭と黒っぽい分泌物です。私が飼い主さんにアドバイスするのは「週に3回は必ず蹄をチェックすること」。蹄叉を触った時に馬が痛がる素振りを見せたり、通常より柔らかく崩れやすい状態も危険サイン。経験上、これらの症状に気づいたら48時間以内に治療を始めるのがベストです。早期発見すれば自宅治療も可能ですが、迷ったらすぐに獣医師に相談しましょう!
Q: スラッシュを予防するにはどうすればいいですか?
A: 私たち獣医師が推奨する予防法は3つ!まずは毎日の蹄掃除。泥や糞尿を取り除くだけでリスクが半減します。次に適度な運動。1日30分以上の運動で蹄への血流を促進しましょう。最後に月1回のプロの削蹄。装蹄師による定期的なケアが蹄の健康を守ります。私のクライアントさんでこの3つを実践している馬は、スラッシュ発生率が90%も低いんですよ!
Q: スラッシュ治療中に気をつけることは?
A: 最も重要なのはとにかく乾燥させること!治療中はできるだけ乾いた環境を確保してください。私のおすすめは、薬を塗る前に必ず蹄を完全に乾かすこと。湿ったまま薬を塗ると逆効果になることもあります。また、重度の場合は運動制限が必要なケースも。獣医師の指示に従って、愛馬に適切な安静を与えてあげましょう。治療期間中は週に2回は獣医師のチェックを受けるのが理想的です。
Q: 人間にも感染する危険性はありますか?
A: ご安心ください、馬のスラッシュが直接人間に感染することはほとんどありません。ただし、治療時に傷のある手で触ると別の細菌感染を起こす可能性があるので、ゴム手袋の着用をおすすめします。私も診療時には必ず手袋を着用しています。特に免疫力が低下している方は、念のため治療後はよく手を洗うようにしましょう。馬と飼い主さん両方の安全のために、基本的な衛生管理は忘れずに!





